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2019.7.29 | 技術/研究

R&D(研究開発)とは

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1.R&Dとは

1)R&Dの意義

R&D(研究開発)とは、自社の事業領域に関連する科学分野の研究や独自技術の開発、既存技術の改良、新製品開発などを行う業務のことです。

R&Dの、「R」は“Research”(研究)、「D」は“Development”(開発)を意味しています。R&Dは特に製造業で重視されています。R&Dによって企業は成長力を持つことができるともされ、「成長力の源泉」や「企業成長のエンジン」などと言われています。

R&D機能は大別すると、「基礎研究」、「応用研究」、「開発研究(=製品開発)」からなります。「基礎研究」とは技術を知的資産として蓄積することを目的とし、「応用研究」は事業推進を目的とし、基礎研究で開発されたものなどを活用し具体的な製品を作ることで、「開発研究」は応用研究で生まれた技術を複数組み合わせる研究とされます。

­­­­­企業はR&Dに資金や人材を投入することにより、製品やサービスへの新技術の応用やコスト低減などを実現し、競合他社より優位に立つことができ、また、新しく生み出された技術や方式について特許を取得することにより、他社が使用できないよう防衛したり、使用を許諾して特許使用料を得ることもできます。

企業が行うR&Dはあくまでも将来の事業収益の向上に貢献することが期待される分野や対象について行われるため、実用化や事業化が現時点では見通せないような基礎研究などの優先順位は低くなりがちです。しかし、既存技術の改良のような研究に偏っては事業基盤を脅かすような新技術が登場したときに対応が後手に回るリスクがあります。

 

2)日本でR&Dに該当する部署

日本の大企業のR&D組織を歴史的に辿ってみると、高度経済成長期(1970~1980年代)は、企業成長戦略とR&D投資傾斜配分を背景に、筑波などのテクノパークなどに研究所の新設ラッシュが相次ぎ、“中央研究所ブーム”となりました。しかしながら、中央研究所では基礎研究から製品開発までのすべてを自社で行う、自前主義がはびこり、市場や顧客ニーズとはかけ離れた研究に陥る、事業部門と開発部門の間での方向性が食い違うなどの問題が生じました。結果として、中央研究所は孤立し、当時は中央研究所のことを“象牙の塔”と揶揄する声も上がりました。

近年の日本の大企業では、研究開発本部(コーポレートR&D)に、中央研究所(基礎研究)、技術分野別研究所(応用研究)を、事業部門には「製品開発」を配置するのが一般的になっているようです。

企業組織論では「組織は戦略に従う」というように、時の企業環境や経営トップの考え方で、研究開発戦略は変化し、結果的に研究開発組織も変わります。長いスパンでみると組織構造は“振り子”のように振れる場合もあります。例えば、R&D投資対効果(短期成果志向)重視やマーケットイン志向のために、技術分野別研究所から市場別研究所へ再編したり、開発研究所の事業部門への移管や製品開発機能強化、更に、レアケースではありますが、R&D機能の自立性・独立性に重きをおき分社化して運営するケースもあります。

最近では、「技術融合」型R&D組織として、すべてのR&D機能を集約して「分断されていない研究・技術開発組織」に幅広い分野の専門家を集めることによって総合力を発揮して技術融合を促進し、新技術や先端材料を創出する「技術センター」の創設が見受けられます。技術センターとしては東レが、また、全社的インキュベーション機能として「事業開発センター」では昭和電工が有名です。

 2.R&Dを成功させるカギ 

) R&Dが果すべき役割(ミッション)

前述した通り、企業が新技術・新製品を開発する活動をまとめてR&Dと呼んでいますが、その大部分は事業部門が製品開発を行う研究開発です。そして、コーポレートR&Dの中の研究所が行う研究活動はR&D活動の全体の小さな一部です。事業部門の研究開発費は開発投資構造の中で大きな比重を占めますが、研究所の研究は将来の事業発展に備える先行投資と考えられます。例えば、情報・通信産業では対売上高研究開発費比率は5~10%、研究費は研究開発費全体の1/10程度です。

企業のR&Dの中で研究活動をどのように位置づけるかはそれぞれの企業の経営方針によって変わってきます。一般に、研究所は事業部門で取り組むことが難しい技術の変革に備えるR&D(“未来”の企業価値創造)を分担します。研究所の研究は将来の事業を創り出す新技術を探索し、実用になる技術の芽を育てることであり、研究は不確実な将来に挑戦する創造的活動が求められます。一方で、事業部門における製品の研究開発は、技術・製品を市場のニーズを満たすカタチにまとめ上げる活動であり、“今日”・“明日”の事業に責任を持つ活動であります。

 

2) R&Dのマネジメントについて

「研究所は役に立っていない」、「カネを使いすぎだ」、「R&Dの活動成果を定量的に評価できないのか」はR&D部門がいつの時代にも言われてきたことであり、特に、会社の業績が芳しくなくなると会社のトップや事業部門からはこのような発言が増えてきます。R&Dの成果(中間成果も含め)は目に見えないケースが多く、経営への説明責任はもちろんのこと、R&D部門内のモチベーション維持するためにも、「R&Dマネジメント」の知恵と工夫がカギを握ります。以下にR&Dマネジメントのポイントをいくつかまとめてみました。

①CTO(Chief Technology Officer、最高技術責任者)の役割

CTOの役割には、以下の5つが挙げられます。

  • 全社的技術戦略の策定と推進
  • 全社的技術行政とその意思決定
  • 研究開発資源の最適配分
  • 技術資産のポートフォリオマネジメント
  • 持続的イノベーションとR&D組織の活性化

多くの日本の大企業ではCTOを任命していますが、「中長期」、「全体最適」視点の全体俯瞰で技術経営すべきところを、近視眼、情実重視で組織的に縦割りのマネジメントしかしておらず、現場社員に任せきりになっている状態を多く見受けます。

②技術プラットフォームの構築と技術マーケティング

技術プラットフォームは顧客企業の課題解決のために事前準備された技術群であり、自社のコア技術(差別化・差異化を発揮する技術群)、基盤技術(製品化するために必要技術;量産技術、高品質など)が明確になっていなければなりません。また、技術者自ら顧客(顧客の顧客)の技術者と対面し顧客のニーズを把握し、その技術プラットフォームを活かした顧客の課題解決を体現することが重要になります。

③アジャイル型開発

開発プロセスの最上位から、生産技術者、デザイナー、開発購買担当者などが参画して顧客価値やコストを造り込むアジャイル開発手法が先進企業では浸透し、開発効率の飛躍的向上に貢献しています。

④良い開発テーマの迅速な発掘と開発プロセスの見える化の仕組み

良い開発テーマの発掘には、“自由闊達な研究開発風土”と技術者の”自主的自由な活動(インフォーマルな社内外ネットワーク)”が有効です。そのために、各社ではインフォーマルなネットワーク活動促進のために「15%ルール」や「アングラ研究」など仕組を導入・改良を重ね運用されています。また、開発プロセスではフォーマルなマネジメント(開発プロセスの見る化や合理的な開発テーマの進捗管理(Stage & Gate法など)の運用など)が挙げられます。

 

3.まとめ

不透明かつ不確実な時代にあって、R&Dマネジメントはますます難しくなってきています。今こそ、「顧客価値創造」の視点でR&Dマネジメントをアップデートする必要があります。

従来の研究所主導のイノベーションでは開発テーマが枯渇しており、大型新製品の創出が困難になっています。今こそ、未来の社会や顧客を予測し、“社会課題解決”や“顧客価値創造”へ「技術経営」の舵を切ることが求められています。また最近脚光を浴びている、顧客志向の「デザインシンキング」や「UX(ユーザーエクスペリエンス)」など新しい考え方や開発手法も積極的に取り入れ、自社流にアレンジし活用していくべきです。

更に、外部リソース活用という視点では、オープンイノベーション(産官学連携)の意外にも、CVC(Corporate Venture Capital;事業会社によるベンチャー企業投資と新規事業育成)に最近注目が集まっているようです。既に日立製作所やパナソニックなどは形を変えて再挑戦しています。更に、モノづくりの中堅企業でも、ベンチャー企業と共同研究した後インコーポレートして、社内の技術や事業と融合するケース事例もあるようです。CVCの可能性を検討してみてはいかがでしょうか。

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