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2019.7.29 | 技術/研究新規事業

商品の企画・開発のプロセスとは?

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1.商品開発とは

1)商品開発の心得

新商品開発コンサルテーションにおける現場の生の声や大手消費財メーカーの商品開発リーダーの考えやモットーなどを参考に、「商品開発の心得」をまとめてみました。

  • 顧客が欲しがっているものではなく顧客のためになるものをつくれ
  • サイズやコストは可能性で決めるな。必要性・必然性で決めろ
  • できない理由はできることの証拠だ。できない理由を解決すればよい
  • 顧客にサプライズを与えているか ~心地よい驚き~
  • 本質的価値。商品の意味を掘り下げる
  • よいものを安く、より新しいものを早く
  • 新しい種(商品)は育つ畑に蒔け
  • ヒトのマネはしない。自分のマネもしない
  • 市場は調査するものではなく創造するものだ。世界初の商品を出すのに、調査のしようがないし、調査してもあてにならない
  • 会社の都合で商品はつくらない

 

2.商品開発のプロセス

最近の若者は“欲しいモノがなくおカネもない”とよく言われます。クルマ離れが進行し、カーシェアリング利用が定着する中、日本のあらゆる業界の消費構造が大きく変化しています。そこに登場したのが、「デザインシンキング」という考え方であり、「UX(ユーザーエクスペリエンス)」という新しい商品開発手法です。消費財メーカーに限らず産業財メーカーもUX手法を導入し試行錯誤で取り組んでいるのが現状です。

商品開発プロセスは、これまで、「市場調査」、「商品企画」、「試作・テストマーケティング」、「商品化」とステップバイステップで進める“リニア型”商品開発プロセスが一般的でしたが、最近では、社内の他部門、顧客、社外の専門家を巻き込んだ“同時並行一体型進行”の商品開発プロセスへ大きく変わろうとしています。

1)アイデア発想

仮説発想法などによりブログ・SNSや仮説発想アンケートなどを通し、隠されたニーズの仮説を大量に導き出します。そして、たくさんのアイデアを発想するためのアイデア発想手法を用い、仮説から企画アイデアを発想します。

2)市場調査と検証

少数の潜在顧客に対して対話形式でインタビュー調査を行い、企画アイデアを深掘りします。また、潜在顧客にアンケート調査を実施し、データ分析を行うことで、企画の方向性や有効性などを分析します。そして、これまでのデータを元に、競合商品との比較分析や優位性(ポジショニング分析)を明確にします。

最近ではネットやスマホの普及で、市場・顧客調査も短時間に精度よく、顧客情報を把握できるようになり、また、一部のマーケティングドリブンの商品開発部門では“エスノグラフィー調査”、“ペルソナ調査”など最先端のマーケティング調査手法を開発して商品コンセプトの絞り込みに使われているようです。

 3)企画作成

商品企画では「商品コンセプト」を中心に、商品仕様、ネーミング、パッケージデザイン、価格設定などを順次検討していきます。商品コンセプトづくりで特にキーになるのは、顧客価値(バリューポジション)で、“顧客が欲している価値”、“競合他社が提供できない価値”、“自社だけが提供できる価値”の3つの価値がそろうことが大切です。

そして、バリューポジションを一言で表すネーミング、顧客に心地よい驚きを与えるパッケージングデザイン、市場メカニズム(需要と供給の関係)に適応したプライシングを検討します。

また、商品企画書作成においては、狙い・意図、商品概要、収支計画(コスト、売上予測、投資、人員)、商品化の展開スケジュールなどをとりまとめ、開発企画会議などへ報告・上申し承認を得た上で、商品化と市場投入の準備に入ります。

4)試作とテストマーケティング

試作開発段階で、“どんな顧客が商品を欲しいのか?”を調査するテストマーケティングとして、「クラウドファンディング」が注目されています。クラウドファンディングの一般的イメージは、①資金調達、②SNSとの組合せでのプロモーションでありますが、別の活用法として、試作段階の商品の顧客ニーズを把握し、商品を更なるブラッシュアップする“テストマーケティング”ツールとして一部で利用されています。

アイデアを試作品として実物に落とし込む。クラウドファンディングで開発プロジェクトの内容(企画背景、商品概要、今後の展開など)を掲載、支援者(潜在顧客)のニーズを把握(年齢や男女比、選択価格、反応など)し、一定人数&金額が集まりプロジェクトが成功すれば商品化する。更に支援者からフィードバック受け、さらなるブラッシュアップをする。そういう意味では、“顧客とのコミュケーション”を重視した商品開発と言えます。

5)商品化(本生産含む)

商品仕様やパッケージング、販売価格、販路(最近では、ネットやEC販売にも注目)の最終判断、そして量産体制(自社生産から外注か)も最終決定します。

商品化・市場投入段階で最も重要なことは、“どの市場・顧客をターゲットにして、どの販路を通し、どのように売るか”を明らかにするマーケティング戦略づくりとその実践活動です。そして、そのマーケティング活動のPDCAを高速に回すことで、提供する価値(シーズ)と顧客の求めるニーズのマッチングを図りながら、仮にギャップが生じても、当初のマーケティング戦略を是正し、リアルな市場の実態に合わせ込むことで拡販に結びつけます。

 

3.商品開発の際に気を付けること

1)社内の巻き込み

新商品開発プロセスにおける試作・量産、パッケージング、プロモーションの企画・実行は、社内外の関係者との協業が不可欠になります。その際には、“組織の壁”を取り払い、利害対立を解消し、部門間の信頼関係を樹立することが重要になります。新商品開発リーダーには、技術や市場の専門知識などのテクニカルスキルはもちろんですが、リーダーシップ、コミュニケーション力、働きかけ力などのヒューマンスキルも大切で、商品開発リーダーを目指す方々には日ごろからヒューマンスキル力を身につけておくべきでしょう。

2)生産コスト

本生産のための生産技術の確立が必要です。生産技術とは、少量生産の技術を援用し工場での大量生産技術(スケールアップ)を確立するものです。また、本生産スタート後も、高効率生産を目指して、常に改良作業を進めることです。 設備投資面では、既存設備を流用できれば、設備投資が不要で好ましいが、新機軸の新商品であれば、新規設備で差別化できる商品にすることが多いです。他の選択肢として、生産の外部委託(OEM)があります。外部委託により、新規設備投資を抑えることができます。

高効率生産や外部委託を進めることで、トータル生産コストの引き下げが図られ、生産原価を低減することとともに、粗利益を増加させることになります。

3)商品プロモーション

商品プロモーションの主な目的は、①商品の知名度向上、②顧客に新商品の購買動機づけ、③商品ブランドの確立です。

最近の商品プロモーションの動向としましては、商品・顧客特性とプロモーション目的に応じ、既存広告(TV、新聞、POPなど)とインターネット広告(Web、SNSなど)を使い分けています。そして、“潜在的な購買意欲を高める”ために、クーポンやポイントカード発行、キャンペーン割引、購入特典、そして、お試し企画(試着・試食・試乗)などの各種プロモーションを組合せて、単に商品のアピールにとどまらず、顧客に購入メリットを訴求しています。

また、ブランディング広告の目的は、ブランドに関する情報を顧客に伝え、認知や好意的なイメージを獲得することです。そして、ブランドは企業の財産でもあり、商品ブランドによって、商品の長期販売が可能となり、流通(スーパーやコンビニのバイヤー)への交渉力にもなります。

 

4.まとめ

既に大手企業を中心に、社内に“UXプロジェクト”を立ち上げたり、「UXをテコに事業変革」推進を試みる企業を多く見受けます。デジタルテクノロジーやソリューション系のビジネスが広がりを見せる中、商品企画・開発において、今後一層、“顧客体験”や“生活者体験”の観点が重要になってきます。

また、製造業においても、モノづくり(=商品・ハード)からコトづくり(=ソリューション・サービス)へ融合化・深化していくものと思われます。今あるテクノロジーや知見・ノウハウを組合せて、顧客の新しい体験を創出するのは容易なことではありませんが、新しいビジネスモデル(シェアリングモデルやサブスクリプションモデルなど)やサービス創出に積極的にチャレンジしていく姿勢が求められています。

 

 

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