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2016.9.20 | 技術/研究経営相談

商品企画は経営戦略そのもの 競争するだけでは商品力は高まらない

SONYカーナビ

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“世界のSONY”ブランドが確立された時代に、ヒット商品の企画を最前線で推し進めてきた石黒啓司さん。現在はコンサルタントとして、企業の経営・事業・商品戦略面の課題解決を支援し、チームを自走させる仕組みづくりをしています。

エンジニアから商品企画開発へと移していったキャリアのなかで培われたものは、需要を見極める力と創造性のバランスです。商品開発で陥りがちな競合比較表への依存を脱することが、商品力を上げる第一歩だと石黒さんは語ります。

SONYでUS市場シェアNo.1の商品を企画

私はソニー株式会社で、エンジニア畑から商品企画へとキャリアを積んできました。当時は、創業者の井深大氏や盛田昭夫氏、ソニーブランドを確立して事業を広げた大賀典雄氏などが現役の時代。新しいものを創るエネルギーに満ちた環境でした。たとえばエンジニアがコツコツ何かを作っていると、ふいに後ろから「何を作っているの?」と声をかけられ、振り向くと社長が立っていて、気さくにアドバイスや励ましの言葉をくれる、そんな会社でした。

私は生意気で突っ走るタイプだったので、よく上司とケンカしていました。アメリカのマーケットを視野に、家庭用のCDチェンジャー『5-CD Changer』を開発したときもそうでした。CDチェンジャーとは、オーディオにつなぎ複数のCDを切り替えることのできる商品です。

アメリカはレコードの時代からチェンジャー付きのオーディオがスタンダードだったので、私はCDチェンジャーもヒットするに違いないと踏んだのです。しかし、上司は首を縦に振りませんでした。自社のカーステレオでチェンジャー付きの類似品があったからです。ただ、それは高額で、家庭用に合いません。そこで、ミニコンポの開発ということでカムフラージュし、後にチェンジャーだけ単品で売れるように設計したのです。これが大当たりとなり、アメリカ市場で30%のNo.1シェアを獲得し、230億円をセールス。商品開発において、相手の目先になって考える「needs」は絶対だと実感する一例でした。

商品企画に必要な視点は「needs」と「seeds」

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市場の「needs」は、エンドユーザーの「needs」だけに留まりません。たとえば私が開発を手がけたカーナビ『nav-u』は、「needs」の視野を、流通にまで広げました。背景には、ソニーの販路が家電ルートだったことにあります。このルートで販売してもらうためには、小売店の「needs」に応える必要があると考えました。

そこで「お客様が自分で取り付けられる」というセールスポイント、「売り場に並んだときの見え方」というプロモーション方法まで視野に入れて商品を企画。その結果、『nav-u』は家電販売店での売上シェアNo.1の70%となり、こちらも280億円というセールスを記録しました。

商品企画には、「needs」に加え、「seeds」という視点もあります。これは、まったく新たな種(seeds)、たとえば先端技術で可能になることや、まだ世の中にないものからの創造挑戦です。ソニーが開発したものだと、トリニトロンテレビやカセットテープ、CDなどがこれに当たります。この「needs」と「seeds」の両方の視点を、バランスよく持つことが、商品企画には必要だと学びました。

商品企画の最大責務は「戦略企画」

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一般的に商品企画と言うと、会議室などで、設計やデザイン、販売会社と商品についてアイデアを出し合い、形にしていくことだと思われています。しかし、これは商品企画の仕事の一部です。その会議が行われる前段階に、ビジネスや市場、需要の方向性を予測して示す「戦略企画」。会議の後にその商品をどのように販売していくか「導入企画」が必要です。これらをすべて含めて商品企画と捉えます。

なかでも最大の責務は、最初の「戦略企画」です。これはいわば、大きなマーケットの先を照らす灯台のサーチライトのようなもの。つまり、商品企画とは経営戦略そのものと言えるのです。そのような意味で、メーカーの経営者は管理者ではなく、エンジニアやものづくり志向を持つ人であるべきと考えています。

戦略を考える際、軸となるのは「成長戦略」と「競争戦略」の2つです。成長戦略とは、新しい市場を創造するもの。競争戦略とは、競合他社や市場の動向を見定めつつ、既存の商品をバージョンアップしていくものです。

現在はものが飽和している時代ですので、成長戦略を打ち立てるのはなかなか難しいと言えるでしょう。しかし、競争戦略を続けるだけではいずれ事業が疲弊し、衰退します。プロダクト・ライフ・サイクルを通じて、常に創業者利益が得られる道を模索し、バランスよく成長戦略と競争戦略に取り組む必要があります。

具体的に商品力を高めるためには、まずは高い志を持つこと。経営戦略であることを認識し、幅広い知見からマーケットを見つめることです。できるだけ尖ったイチオシの特徴を持たせることも重要です。よく競合比較表を用いて商品企画の会議で議論されるケースもありますが、このやり方はあまりオススメできません。表の○×をもとに開発される商品は、落ち度はありませんが特徴も薄まり、結果として商品力が落ちてしまうからです。

「他人仕事」から「自分仕事」へ意識改革

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私は現在、これまで経験してきたエンジニア・事業戦略・商品企画・企業間アライアンスなどの知識を生かし、クライアント企業の経営・事業・商品戦略面の課題解決を支援しています。また、部課長、リーダー、若手社員など各段階別に、短期間で商品企画力アップ・仕事力アップにつなげる支援・指導も行っています。

ご相談を受けるときは、まずは“聞く耳”を持ち、経営者の悩みを酌み取ることに全力を注ぎます。そしてプロジェクトの運営では、関わる方の意識レベルの向上を肝に据えて取り組んでいきます。具体的には、人から指示されて行う「他人仕事」から、自発的に動く「自分仕事」へと意識を引き上げることです。

たとえばあるクライアントは、次期経営者の育成を課題としていました。私は、ついつい口を出してしまう先代と、自分から判断しようとしない次代との間に入り、それぞれの意識の改革に注力しました。チームメンバーには、ただ方針を説いて聞かせるだけではなく、今までの実績をもとに作成した独自フォーマットのツールを使用。自らの目標や課題に気づいてもらい、それぞれが自走していく仕組みをつくりました。

私は、これまで積んできた経験と実例によるアドバイス、そして後々も使える具体ツールを駆使し、商品企画の成功に向けて、一人ひとりの胸に志を宿していきたいと考えています。人好き、酒好きですので、お悩みをざっくばらんにお聞かせいただければと思います。

この記事を書いたプロフェッショナル石黒 啓司 顧問

元ソニー出身。数々の商品企画を担当し、トップシェアを獲得した実績があります。多岐に亘る経験を活かし、事業戦略・商品戦略面でご支援可能です。

紹介文

エンジニア・製造事業所・商品企画・マーケティング・新フォーマット立上げ・企業間アライアンス活動など多岐に亘る経験を活かし、特に事業戦略・商品戦略面で『CompactDisc』、『MiniDisc』、『Car-Navi』のカテゴリーにて新しいカテゴリー創出商品を市場に送り出し、かつ市場でトップシェアを獲得した実績があります。また、それらの実践ノウハウを体系的に纏めた豊富な資料を使用、商品企画塾・仕事力アップ塾の主宰を通じて在社中から現在に至るまで100回を超える指導塾の開催実績があります。

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