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2019.9.26 | 生産/品質管理

生産性向上とは?業務効率向上との違いも含めて解説!

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現在、日本社会は深刻な少子高齢化と人口減少時代となっています。また、熟練技能者の大量リタイアと相まって、日本企業に与える最大の影響は労働生産人口の減少であり、“働き手が少なくなる状況”が今後益々深刻になります。また、日本の生産性は非常に低いと言われており、1時間当たりの生産性は47.5ドルでOECD加盟36カ国中20位と、残念な結果になっています。このままの生産性では、特に中小企業の仕事が回らなくなる懸念があります。

更に、日本企業では「働き方改革」が着実に進み、ワーク・ライフ・バランスの実現に向け、長時間労働の是正や有給休暇取得率アップが推進されるなど、これまでの働き方が大きく変化しようとしています。

 

これまで企業においては、投じた労力や人材量が多いほど、より良い商品やサービスが提供できるものと思われていました。しかし、この10年間で労働生産人口の減少に拍車がかかり、より少ない労力や投資で、最大限の効果を発揮できる「生産性向上」に向けた取り組みの必要性が高まっています。

特に、物流業界では人手不足は深刻な経営課題となっていましたが、この度、国土国交省では、自動車運送業界(トラック、バス、タクシー)を対象に、働き方改革を重視した「ホワイト経営」に取り組む事業者の認証制度を創設、2019年度からスタートします。

 

1.生産性向上とは

「生産性向上」とは、これまで豊富にあると思われていた人材や資金といった労働資源を無駄遣いすることなく、「レバレッジ(テコの原理)」のように最小限の力で最大限の成果を上げるための工夫や考えといった企業努力や行動のことです。ちなみに生産性とは、投入した生産要素に対してどれだけ付加価値を生み出せたかを表すものです。

生産性には、労働の視点からみた「労働生産性」、資本の視点からみた「資本生産性」、投入した生産要素すべてからみた「全要素生産性」の3種類があります。中でも企業活動の現場でよく用いられるのが「労働生産性」です。

 

1)生産性の測定の仕方

(1)労働生産性

労働生産性とは、「労働者1人当たりが生み出す成果」、あるいは「労働者が1時間で生み出す成果」のことであり、生産量や付加価値の額である「アウトプット」を、労働者数×労働時間=労働投入量である「インプット」で割ったもので表すことができます。

労働生産性=アウトプット(生産量・付加価値の額)÷インプット(労働投入量―労働者数×労働時間)
また生産量で測定する指標を「物的労働生産性」、付加価値で測定する指標を「付加価値労働生産性」と言います。

付加価値額とは企業が新たに生み出した金額的な価値を指し、簡易的計算式では、「付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費」で示され、ほぼ「粗利益」に近いと考えて構いません。労働生産性を上げるためには、労働者のスキルアップ、業務効率化、経営効率の改善などの方策が挙げられます。

補足になりますが、労働生産性を因数分解すると、労働装備率(有形固定資産増加額/従業員数)と設備投資効率(付加価値/有形資産増加額)から構成されています。つまり、労働装備率は、機械化・ロボット化を推進することで生産性が上昇します。設備投資効率は、設備稼働率を高め、効果的に受注拡大することで高まります。特に、製造業においては、労働生産性を高めるには、ロボット化・機械化投資の促進と設備稼動率アップがキーポイントになります。

(2)資本生産性

資本生産性(付加価値額/総資本)とは、投下した資本が生み出す付加価値額をみる指標であり、固定資産(生産設備など)への投資額と生産量の割合を評価します。 資本生産性を上げるためには、設備稼動率や労働能率向上、原材料費削減や外注加工費の効率化、高付加価値商品の開発などによって付加価値そのものを上げる、といった方策が考えられます。

 

2)生産性と業務効率化の違いとは

「生産性向上」と混同して使われやすい用語に「業務効率化」があります。業務効率化とは、業務やプロセスから「ムダ」なものを省き、よりスムーズに業務ができるような状態にすることで、処理スピードアップ(時短)やコストカットによる業務そのものの効率化を指します。一方、生産性向上は、事業や会社全体の「付加価値(成果)を高める」という観点から、業務効率化に加えて、事業ポートフォリオの再構築(選択と集中)や新商品・新サービスの創出、業務改革(コア業務へ集中・特化)など幅広い対策が考えられます。

生産性向上は、“レバレッジを効かせてコア業務に集中すること”。業務効率化は、“より早く、可能な限りのコストを削減すること”が焦点となるため、この二つは根本的に異なる概念を持つということを理解していただきたいと思います。

 

2.生産性が高い企業の特徴とは

日本企業が、少子高齢化や人口減少下においても、持続的成長を遂げていくためには、誰もが安心して働き続けられるような、働きやすく働きがいのある企業や職場づくりを推進することが重要です。その推進に向けて必要なのは、労働者一人ひとりの労働生産性の向上を通じた個々の企業における“生産性革命”へのチャレンジであります。

特に、働き方の工夫や人材育成を通じて、生産性を高め、高付加価値を創出し、次の成長投資に配分する、企業成長のスパイラルアップ(良い循環)を確立することが大切であります。

 

1)全社的視点での業務プロセスの標準化・整流化

全社的視点(サプライチェーンマネジメント、顧客満足度最大化など)から業務プロセスの標準化・整流化を行い、業務効率化(ムダ取り、ロス廃棄など)とコスト削減に取り組み、結果として、生産性向上を図ります。そのためには、業務プロセスやマネジメントの可視化と実態把握を行い、業務の平準化やコア業務へ集中・特化(ノンコア業務はアウトソーシング、シェアードサービス化)など抜本的業務プロセス改革に取り組む必要があります。

 

2)社員のモチベーションが高い

社員のモチベーションを高める先進的事例を紹介します。(株)ディスコは、厚生労働省の「平成28年度 働きやすく生産性の高い企業・職場」の最優秀賞を受賞しました。同社は、“超個人主義経営(ポストアメーバー経営)”の革新的経営モデルを推進し、高収益・高効率経営を実現しています。そのベストプラクティスとして、「Will(ウイル)」という社内通貨を設け、自分の仕事を社内オークション制で入札します。自分の仕事は自分で決め、頑張れば頑張るほど報酬が増加し、社員の仕事に対するモチベーションを高めていくことができる制度です。

また、自主的な能力開発(自己啓発)や現場改善の提案に対するインセンティブ制度(人事評価制度)を設け、社員のモチベーションアップを図り、個人の生産性向上を後押しすることも重要です。具体的には、以下のような方法があります。

・社員の成果や業務の態度に対して適切な評価を行い、表彰する。

・テレワークなど、より自由度の高い働き方を取り入れる。

・集中力を高めるために、個人用のスマートフォンの電源を切ったり、適切な仮眠の時間を取り入れる。

また人事評価においては、生産性と連動する評価制度を導入するというやり方があります。たとえば、残業せずに成果を生み出している社員を評価する仕組みなどがこれにあたります。

 

3)適切なITツールを利用している

業務効率化を実現するために有効な手段の一つが、ITツールの導入・活用です。業務やコミュニケーション、文書管理を電子化することで、情報共有や決裁のスピードを上げ、迅速なビジネス活動の展開が可能となります。

電話やメールより手軽なやり取りでき、スピーディーなレスポンスやアクションが可能な「ビジネスチャット」をはじめ、チームの情報やデータ、スケジュールやタスクなどが一括管理でき、いつでもどこに居てもアクセスできる「コミュニケーションツール」は、業務効率化の推進に役立ちます。

 

4)社内のコミュニケーションが活発である

生産性を高めるためには、社内やチーム内でのコミュニケーションを活発化させる必要があります。積極的に発言したり、お互いに改善して欲しい点などを言い合える信頼関係を築いていくことが重要です。

半導体製造装置向けの部品製造メーカーでは、報・連・相などの「情報の交流」だけではなく、“感情”の交流ができるコミュニケーション(組織横断プロジェクトや社員旅行、親睦会などの各種イベント)を実施することにより、“おたがいさま”の精神が社内に浸透し、人間らしく、イキイキ・ワクワクと働くことができ、社員が毎日気持ちよく働けると考えて、実践しています。

 

5)人材配置や人材育成が適切に行われている

「自分に適した仕事に就いている社員の生産性は2.5倍にもなる」ということが著名な経営誌にも掲載されました。適職に就くことで仕事に対するやりがいと会社へのエンゲージメント(愛着心)が高まり、その結果、生産性が向上することがマネジメント研究論文にも示されています。同時に、仕事絡みのストレス、緊張、職場での対立、従業員の離職による高コストといったマイナスの要因が減ることも明らかにされています。

職務で求められることが社員自身の能力に見合っており、職務で得られる刺激が当人の関心に適合し、職務上のカルチャーが当人の個性に合った部署に配置されることで、社員の離職率が劇的に低下し、生産性が大幅に向上することがわかっています。

このように、企業が人材と職務を適合させることは、個人・組織の生産性を向上させ、競合他社よりも優位な立場にいることに繋がると言えます。

 

3.生産性向上のために行うべき取り組み

生産性向上は、企業の収益改善に直結する重要な経営課題です。実際にあった事例の中から「生産性や業務効率向上」の取組実例を中心にご紹介します。

 

1)ビジネスモデル変革による高付加価値化

半導体製造装置の部品製造の中小企業では、生産性向上のユニークな取り組みが行われています。“ゼロイチ”プロジェクトと称し、お客様からの「まだ世の中にはないけれども、こんなモノできない?」といった“困り事”を受け止め、お客様に寄り添って一緒に新製品開発を進めており、従来の多品種少量の受注生産(モノづくり)型企業から研究開発・ソリューション提供型企業(コトづくり)へ脱皮を図っています。

 

2)業務プロセスの可視化と標準化

 日本を代表する大手医薬品メーカーでは、主力工場内の間接部門の労働生産性向上を目指し、「事務処理合理化プロジェクト」を立ち上げ、設計と運用を推進しました。業務プロセスの棚卸しと再定義に始まり、業務プロセスの抜本的見直し、そして、業務プロセスの最適化(将来の業務体系の構築)を行いました。工場の間接部門の業務全体最適化に向けて、次ぎの10の視点で業務効率化に取り組みました。①重複業務の廃止・統合、②過剰・重厚業務の是正、③業務の標準化・平準化、④調整手続きの簡略化、⑤手作業の自動化、⑥OA・システム化導入、⑦個人の業務スキル・能力向上、⑧社員モラールアップ、⑨部門内外コミュニケーションの円滑化と情報共有化、⑩オフィス環境改善であり、結果として、1年後の労働生産性20%の改善成果を出すことができました。

 

3)IT技術の有効活用

最近、注目されているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、主にデスクワークなどで発生する定型作業を、パソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行・自動化する技術で、専門職や企画部門、営業職、事務職などのいわゆる「ホワイトカラー」と呼ばれる社員の事務合理化(人手不足対策や残業削減)を担い、大企業を中心に急速な普及が進み(2019年1月現在RPA導入率32%)、更に利用拡大が予想されています。

RPAは、多くの仕事を迅速にミスなく遂行でき、人事・経理業務やデータ分析など、代行業務の内容は多岐にわたります。今後、次世代“RPA2.0”ではAIとの連携、ソフトウェアロボットの高度化により、バックオフィスから生産・物流現場などへの利活用が広がり、究極の「無人運転(“眠らないロボット”)」実現の可能性を秘めています。

  

4)ISO認証・維持を通して業務プロセスを“元に戻らない”仕組みの構築

最近では中小の製造業においても、企業間取引をスムーズに行うために、「ISO9001(品質)」/「ISO14001(環境)」の認証取得と維持に取り組む企業が多くなっています。また、職場環境の維持・改善のために「5S」の導入する企業も多く見受けられます。しかし、経営者に話をよく聞いてみると導入の狙いは“もう1つ”あるようです。それは、生産性向上に結びつけるために、業務プロセスの標準化・整流化を行い、業務効率化とコスト削減を行うことです。企業環境変化並びに経営者、事業運営が変わっても、業務プロセスとマネジメントが“元に戻らない”仕組みを構築することに重きをおいているようです。

 

5)補助金・助成金の活用

国は生産性向上の取り組みを後押しするため、生産性向上に取り組み成果を上げた企業に対して補助金や助成金を支給しています。今回は厚生労働省が出す、業務改善助成金、そして人評価改善等助成金コースについてご紹介します。

業務改善助成金(厚生労働省)とは、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内最低賃金の引上げを図るための制度です。生産性向上のための設備投資や人材育成に係る研修、業務改善のためのコンサルティングなどを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備投資などにかかった費用の一部を助成されます。また、人事評価改善等助成金コース(厚生労働省)とは、生産性向上に資する人事評価制度を整備し、定期昇給等のみによらない賃金制度を設けることを通じて、生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る事業主に対して助成されます。

 

5.まとめ

「生産性向上」とは労働資源を無駄遣いすることなく、最小限の力で最大限の成果を上げるための工夫や考えの企業努力や行動のことで、各企業が様々な取り組みを行っています。企業の生産性向上のためには、自社の生産現場の現状を把握するということが大切であり、個人と組織レベルの両面で生産性を問うことが成果につながる近道となるでしょう。

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