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2019.9.26 | 人事/バックオフィス

人事が会社内で果たす役割とは?

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1.人事とは

1)人事管理の目的

人事管理の大きな目的は、企業における働き方のルールや処遇を決めて適切に運用し、人材を効果的に活用していくことです。また、近年は労働関連法規の改正が頻繁に行われているため、それらに適切に対応することも求められます。いずれにしても重要なのは、人事管理を適切に運用することにより、社員のモチベーションを向上させ、より良いパフォーマンスを発揮すること。そして組織全体としての生産性を向上させることです。企業としての最終目的は企業の持続的成長と安定的収益体質を実現することです。そのために人事管理は企業に必要な人材を獲得し、育成することで実現させます。

近年の人事管理の動向を見ると、働き方改革の推進やワーク・ライフ・バランスが求められる中、働き方のルールや処遇に関しては、個別対応も含めて、柔軟な対応を取るケースが増えていることがわかります。この対応の根底には、社員の持つ能力・スキルを十分に発揮してもらおうとする、企業(経営)側の考えがあります。

人は単なる労働力ではなく、一人ひとりが豊かな感情や個性を持つ人間です。また、さまざまな雇用形態の社員がいます。そのため、現在は個性を重視した、一人一人にあった人事管理が行われているのです。

 

「戦略的人事」という言葉があります。戦略的人事とは、経営戦略と人事(人材)マネジメントを連動させることによって、自社の競争優位の実現を目指そうとするものです。従来のオペレーションを中心とした人事部門の在り方に対して、変化の速いこれからの時代に求められる人事部門の新たな役割となっています。

法的対応が求められ、ルーチンの安定的なオペレーション業務が多いのは人事部門の特徴です。一方で、大胆かつ適切な人材マネジメントを行うことにより戦略的人事として経営戦略に連動し、その目標を実現する“要”の役割を果たす必要があります。変化の時代にあっては、経営戦略に合わせた人材の採用と適正配置、プロジェクト管理、人材開発などを通じて、経営戦略の推進を支援する“戦略推進部門”としての役割が、現在人事部門には求められています。

「戦略的人事」の事例として、デザイナーが新規事業開発室へ異動した事例があります。自動車会社のデザイナーは、これまで主にクルマのスタイリングの役割を担ってきました。デザイナーには、エンジニアや企画スタッフとは異なる可視化能力(見えないものをカタチにする能力)、卓越したコミュニケーション能力など、優れた能力を持っていることがあります。この自動車会社ではこのデザイナーの持つ能力を活かし、新規事業開発室への異動をすることで、企業イノベーション活動(新規事業創出や企業変革の推進役)を推進しています。

2.人事の機能・役割について

中小企業では、独立した人事部を設置するケースは多くなく、総務部や管理部の中の機能の一部として人事機能があり、人事担当も総務・庶務などと兼務するケースが多いです。

 

1)人材採用

労働市場は売り手市場(深刻な人手不足状態)が続く中、中小企業の新卒採用市場では、求人倍率9.91倍、その上入社したとしても約4割が3年以内に離職というのが実情であります。

 

人事部は事業目標の達成のために必要な人員の計画を立て、人材を確保するための業務を行います。具体的には、応募者の面接はもちろん、就活生や求職者に自社を広く知ってもらうための企業説明会や、求人サイト上での企業説明のほか、近年ではソーシャルメディアを活用したり、社員に知り合いを紹介してもらったりと、多岐にわたる行動が求められます。

中小企業の場合、総務部の中に人事機能があり、中途採用や外国人採用は、社長が自ら地銀・中小企業支援センターなどのネットワークを活用し、優秀な人材を確保するなどの採用活動を行っている例があります。

 

2)人材配置

人材配置の最適化は企業にとっては重要なテーマです。人材配置によって、社員のパフォーマンスや生産性は変わってきます。仮に割り当てられた部署や取り組む仕事内容が合わなければ、離職につながる可能性もあり、慎重に行う必要があります。

人材配置は、成績や勤務態度、スキルだけでなく、性格などをもとに決めることもあります。過去の人材配置のデータが蓄積されていれば、「過去いた社員がこの部署で成績を残せたのであれば、その社員とで近しい特徴や性格を持つ人ならば、その部署にはいぞくして仕事をしてもらったほうが、この社員のパフォーマンスをあげることができそうだ」というような、より良い人材配置を考えることができるでしょう。

 

3)人事評価と処遇

近年では、人事評価は「成果」「能力」「人間性」など多岐にわたる項目から決まり、今後の仕事内容や人材配置に影響大きくします。最近では評価を適正にするために、360度評価といった周りの社員がその社員の人物像を評価する評価方法も注目されています。評価を適正にするために人事部や上司の感覚や経験による評価だけではなく、あらゆる視野からの評価が求められています。

こうした人事評価はある一点だけのデータではなく、蓄積していくことで、社員一人ひとりの成長過程を可視化することにもつながります。

人事評価の結果は、社員の処遇(昇進・昇格、昇給など)の決定、一人ひとりの能力開発や最適な人材配置に活用することができます。

 

4)人材育成・能力開発

人事部は人材育成を目標として、仕組みや制度を整える業務を行います。例えば、研修を計画し実行すること、社内でのジョブローテーションや、社内公募制度を設計することなどです。前述の評価制度の整備も、企業の求める行動や考え方を評価する仕組みを設計することなので、これも人材育成の一つと考えられています。

また人事部は社員の能力開発に投資する機能を担っています。社員とは企業が最大の利潤を達成するための“ヒト”という経営資源ですから、人事はこの経営資源が陳腐化しないようにする必要があります。例えば、役職に応じて研修を設定する、外部セミナーを利用できる制度を整えるなど、人事は “ヒト”に対しても能力開発という投資を行います。

 

5)人材活性化とモチベーション管理

人事の仕事として、社員がイキイキはつらつと働くための環境づくりも人事の仕事に含まれます。社員同士の関係性を良くするためのイベント企画や、社内報など、コミュニケーションを促進する仕組みづくりを行います。

モチベーション管理は、社員のモチベーションデータを収集・蓄積して、社員コンディションを健全に保つことを目的としています。その蓄積されたデータからデータ分析を行い、その結果からフォローアップを行います。キャリア相談を行うことは人材活性化の有用な施策となり、結果的には生産性向上や離職防止につながります。

また、モチベーション管理は、社員の組織エンゲージメント(会社に対しての愛着心、思い入れ)に直結し、組織運営が健康か不健康かの指標にもなります。

 

6)労務管理

人事部の役割として、企業全体の賃金管理を行う労務管理機能(保険手続、給与計算、健康診断、福利厚生など)もあります。大企業においては労働組合との折衝も重要な役割です。

“ブラック企業”が社会的な問題として取り上げられるように、長時間労働による労災認定のリスクや民事上の責任論が高まってきている昨今においては、企業として安全配慮義務を果たしていることを担保しておくことが求められています。

企業独自の残業時間基準を設けて、その基準を超過する残業を行っている社員については個別面談を実施したり、対象社員の業務内容の棚卸し、部門長からの意見聴取など、「リスクヘッジ機能」も併せ持つようになってきており、単純に労務管理をしているだけではなくなってきています。

因みに、「労務管理」は労使の雇用関係について特化した「労働条件」の管理のことを指すため、人材の処遇全体をカバーする「人事管理」とは、持つ意味合いが大きく違います。

 

3.中小企業にも人事は必要か?

「中小企業に人事機能は必要ない」という言葉を耳にすることがありますが、それは大きな誤りです。

何故なら、人事機能は組織と人を繋ぎ、想いや理想、情報を共有するインターフェイスのような性質を持っているからです。

人事機能が存在しなければ組織内の人事情報は点在することとなり、時代や経営環境の変化に合わせて迅速かつ適切な人事判断を行うことが難しくなります。

また、努力や成果に対する正当な人事評価を受けにくく、やりがいや自己実現よりも絶対的な評価者である上司の都合や顔色を優先して働かなければならない職場環境におちいってしまいます。

このような状態では競合他社との戦いに勝利する強い組織を構築することはもちろん、次世代を担う若手社員を確保し、長期的視点で育成することもできません。

ワーク・ライフ・バランスの実現によって全社員のモチベーションを高い状態で維持し、個々のパフォーマンスを企業ビジョンや事業戦略に沿った形で最大化させるためには、 企業の規模に関わらず人材に関するあらゆる業務を総合的かつ専門的に扱う部署が必要になります。

 

中小企業にとって、「人事機能」は、経営戦略と密接に関わる重要な機能であります。組織論として、独立した人事部を設置するかどうかは個々企業の事情があり、一概には言えませんが、「人事機能」が総務部や管理部の中にあったとしても、社長(あるいは管理部門担当役員)が直接タッチして、採用や人事評価、人材育成に関わるぐらいに、人事企画とマネジメントに当たるべきです。また人事担当者には、人事の専門家(人事業務の実務経験者)を選任し任せるべきです。

 

4.時代の変化に伴う人事の必要な変化

昨今、働き方の概念が大きく変わろうとしています。企業側の人件費削減・雇用調整を目的として、「非正規雇用」が常態化・拡大傾向(現在2千万人突破、労働力人口の38%)にあります。一方、IC(インディペンデント・コントラクター)という雇用形態が増加の一途を辿っています。平たく言えば、「フリーランス」で複数の企業とプロジェクト請負契約を結ぶ個人事業主の総称で、雇用と自営(個人事業主)の中間といったところです。国内では既に1,000万人(労働力人口の16%)を突破、米国ではもっと普及しており、現在5,500万人(労働力人口の35%)、2020年には労働力人口の50%を占めるとの予測もでています。フリーランス増加の背景には、デジタルテクノロジーの進化によりいつでもどこでも仕事をしやすくなっていることや、すき間時間でできる仕事が増えることで、副業としてのフリーランスの可能性が広がっていることなどが考えられます。例えば平日は会社勤務をしつつ、週末だけUberのドライバーをする人も増えています。「兼業・副業」や 「フリーランサー」のような、「時間・場所・契約にとらわれない、柔軟な働き方」は、今後の働き方改革の“カギ”になると思われます。

 

1)採用の変化

現在日本では、働きたい熟練技能者(リタイア組)の増加、優秀な女性や真面目な外国人労働者の活用の場の増大など、人材構造の変化や雇用形態が多様化しています。一方、企業側の採用担当者は、ハローワークなどの人材紹介や求人広告サービスだけに頼っていても、優秀な人材は獲得することができません。今後は、優秀な人材獲得ができる新しい人材サービス(顧問サービス、AI活用人材マッチングサービスなど)など幅広く活用していく必要があります。また、時短勤務やテレワーク勤務など社内の勤務形態の整備も必要になってきます。

2)ある企業の人事評価改善例

実際に人事制度の改善に成功した例をご説明します。ある製造業では、従来の人事評価制度は、人事関連規程が古くツギハギで時流(労働関連法規の改正)に適合しておらず、キチンとした評価制度・基準もなく、“やってもやらなくても同じ”との社員のマインドが充満していました。しかし今回人事制度を見直すにあたり、「納得性」、「透明性」を基本方針として、本人で行動目標(コンピテンシー)を立て実践、自己評価と上司との面談評価により、妥当性と納得感のある活動評価と処遇(昇給・昇格など)の決定となりました。結果本人の自己啓発や能力開発へ積極的に取り組めるようになりました。本人のやる気や成果を上げた人に手厚く評価し、何をどうすれば評価されるか本人も理解し、モチベーションアップにつながっています。

 

5.まとめ

経営環境が目まぐるしく変化する中、これからの人事管理は、社員一人ひとりが働き方やキャリアパスを選択できるような「多様性」と「柔軟性」を持ったものへと変革しなければなりません。そうなると、それぞれの会社が自社の企業ビジョンや事業戦略の実現に資するために、より「独自性」を重視した人事管理を目指していくことになるでしょう。

 

このように「独自性」が重視されることによって、各社の人事管理の考え方や進め方に、大きな違いが生じるようになります。また、人事管理に関する考え方や進め方の違いが、社員の能力開発やモチベーションの差となってあらわれ、それが会社の将来を大きく左右していく源泉となります。そういう意味でも、「独自性」を持った人事管理をいかに実現するかが、これからの人事部門には強く求められるでしょう。

 

それと同時に、企業も社会を構成する一員であることを忘れてはなりません。法令を遵守する、雇用の維持・拡大に努めるなど、企業は社会に対して一定の責任を担っていることを忘れてはいけません。このような社会的責任(CSR)を果たすことも、これからの人事管理を行う上でこれまで以上に欠かせない要素と言えます。そのためにも、コンプライアンスを重視した人事管理のあり方を各社が創り出し、適正に運用していくことが重要です。

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