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2019.10.1 | IT/WEB

ECサイト運用の基本と構築の流れ

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1.ECサイトとは

ECサイトとはelectronic commerceの頭文字から来ており、日本語では「電子商取引」のことです。インターネット上に開設した商品を販売するウェブサイトのことを指します。

ECサイトには3つのビジネスモデルがあり、売り手と買い手の属性によって『BtoC-EC』(消費者向け電子商取引)、『BtoB-EC』(企業間電子商取引)、『CtoC-EC』(個人間電子商取引)に分類されます。

ECサイトの市場規模をみてみると、BtoC-EC分野は、市場規模約18.0兆円(前年比8.1%増)、EC化率6.2%となっており、最近の日本の実質GDPがほぼゼロ成長だったにも関わらず、ECの市場規模は前年より約1,5兆円も伸びていることから、EC市場は堅調に伸びています。しかし、海外のEC化率(すべての商取引金額に対するEC市場規模の割合)と比較すると、米国は約10%、中国では約15%を超えており、日本におけるEC普及は遅れているのが現状です。

一方、BtoB-EC分野の市場規模344.3兆円(前年比8.1%増)、EC化率30.2%となっており、BtoCと比べECサイト数は少ないが、BtoB-ECの市場規模はBtoC-ECの20倍もあります。

そして、CtoC-EC分野は個人同士で行う売買取引を指し、市場規模は上記2分野と比較すると小さく、ネットオークションとメルカリなどのフリマアプリを合わせて現在6,510億円ほどですが、今後、急速に拡大すると予想されます。

(注)出所:ECサイト市場規模は2018年度の出荷統計(経済産業省)
EC化率とは、全商(ネット+実店舗)取引総額に占めるEC取引総額の比率

 

ECサイトを活用した新しいビジネスが展開されていますが、最近注目されているECサイトが3つあります。

第1は『オムニチャネル(Omni-Channel Retailing)型』です。ありとあらゆるチャネル(販売経路)を統合し活用することで売上アップをもたらす取り組みです。例えば実店舗を持つ事業者であれば、実店舗とECサイトの在庫情報・顧客情報を統合し一元管理することで、顧客は実店舗とECサイトの区別を意識することなくシームレスな購買を体験できます。ライフスタイルが多様化した現代で、さまざまなユーザーニーズを満たす重要なマーケティング手法です。

第2は『ショッピングモール型』です。1つのECサイトに複数のEC店舗を構築することをショッピングモール型ECサイトと言います。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングのように複数店舗を出店するのが典型的なショッピングモール型です。

最後の『越境・グローバル型』はその名の通り国境を超えて取引を行うECのことです。海外のEC市場に目を向けると中国の勢いはすさまじく、BtoCでは超高成長市場(対前年比40%)です。日本国内の消費が冷え込んでいることもあり、「Made in Japan」を武器に越境・グローバルサイト(化粧品、健康食品など)を展開する企業が増えています。

 

1)ECサイトにおけるフロント業務

(1)商品企画 …“売れ筋商品”を企画

どの時期に、どの商品を、どれくらい仕入れるかなど、利益創出のために売れる商品を選定し、半年以上前からトレンドや季節などを考慮し、販売計画をきちんと立てます。

(2)ECサイト制作・運営・改善 …使い易いサイトをつくる

売りたい商品に適したデザイン、そしてサイト訪問者にとって使いやすいデザインであることが重要です。また、ECサイト運営段階では、導線改善やバナーの設置、訴求力のあるページに内容を変更するLPO(ランディングページ最適化)などにも注力し、使い易いサイトへの改善に努めましょう。

(3)商品仕入れ …EC販売の機会損失を抑制

事前に立てた販売予測(計画)に基づいた仕入れを行います。人気商品の場合は、生産が間に合わず、機会損失が生じることもありますので、欠品リスクに備え、複数の仕入れ先の確保するのが担当者の腕の見せ所です。また、新規仕入れ先との契約時は、審査がある場合がほとんどです。ネットショップの実績や信用が問われます。

(4)プロモーション …EC販売を最大化する

ECサイトにおけるプロモーションはいわゆるWebマーケティングが主な方法で、Web広告を活用したプロモーションが中心となります。「リスティング広告」、や「SEO(検索エンジン最適化)対策」がよく活用されており、その他にも、ブログ手法(コンテンツマーケティングを含む)、アフィリエイトプログラムへの参加、ディスプレイ広告やリマーケティング広告、記事広告、メールマガジン、Facebook広告などがあります。

この中で最も効率の良い手法は「リスティング広告」です。リスティング広告とは検索結果上部の広告枠に出稿する広告で、GoogleとYahooが有名です。しかし、リスティング広告は予算のかかる広告ですから、予算がない場合は「SEO」、「コンテンツマーケティング」などが検討されます。

 

2)ECサイトにおけるバックエンド業務

(1)受注・在庫業務

注文情報を受け取ると、お客様へ注文状態をお知らせするメールの送付、在庫への引当、出荷指示を行います。この作業は、単純ですが、間違えたりするとクレームの原因となることが多いプロセスです。過剰在庫はコストになります。販売予測に過不足ない在庫を手当します。在庫管理の難しいところは、過剰在庫を注意しすぎると、品切れが多発します。それらを防ぐには精度の高い販売予測がキーとなり、担当者の経験が蓄積されると精度も高くなります。

(2)梱包・配送業務

出荷指示に基づき倉庫から商品を取り出すことをピッキングと呼びます。お客様が注文したリストからピッキングを行い、梱包作業を行います。梱包した商品に伝票をつけて、配送業者に渡します。梱包は商品にダメージにならないように、クッション材などを入れます。配送業者選定時はコストだけではなく、扱う商品のサイズや特徴から最適な配送業者を選定します。商品のサイズや特徴に合わせて配送業者を使い分けるのも良いでしょう。そういった面からも複数の配送業者と信頼関係を作っていくことも重要になります。

(3)アフターサービス

初めて買ってくれたお客様には、商品到着から2週間以内に商品の使用感などを尋ねるメールを送るのが一般的手法です。ただ過度なメールによるアフターフォローは嫌がられることもしばしばありますので、クーポン券の乱発などでECショップの印象を悪くしないようすることが大切です。

また、お客様からクレームがきた場合も、丁寧かつ迅速に処理できれば、逆にファンになってくれる可能性が高まります。

 

2.ECシステムの構築方法とそれぞれのメリット・デメリット

1)ASP

ASPとは「アプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)」の略で、Webアプリケーションとして提供されるソフトウェアやサービス、その事業者を指します。小規模~中規模のECサイトに向いています。ECサイトの構築方法で最も手軽で、特別なソフトや開発作業が必要なく、ECサイトを構築できます。

メリットとしては、ASP側にサポート体制があるので、ノウハウのない会社でも導入しやすいことが挙げられます。ECサイトの運営はブラウザベースで行うため、特別なアプリケーションは必要ありません。サーバーを立てる必要もなく、導入にかかる時間も短く、低価格でスモールスタートできます。また、ASPではシステムの管理や機能のアップデートも定期的に行ってくれるので、常に最新の機能を活用でき、セキュリティ対策も万全です。

一方デメリットは、基本的にカスタマイズはできず、標準的な機能が実装されているため、特別な配送料や割引パターンなどに対応できないことです。また、月額費用のほかに手数料負担がかかる場合もあります。セキュリティ対策はASP側で行ってくれますが、顧客情報もASP側が管理するため自社で管理ができません。

 

2)ECパッケージ

企業のECサイトなど比較的規模が大きいサイトは、「パッケージソフト」を活用して構築するのが一般的です。サイトの運営管理やメンテナンスもベンダー(販売元)にアウトソーシングできるため、技術力は要求されません。コストはかかりますが、安定したサイト運営が必要な大規模ECサイトに向いています。

メリットは、導入から運営管理まで全面的にサポートを受けられるため、システムの運営管理やセキュリティ対策などの専門的な知識や高い技術力は不要な点です。機能の追加・開発をすることもでき、自社の既存システムなど他のシステムとの連携や機能の追加なども可能です。

一方デメリットは、コストや時間がかかることです。パッケージソフトの導入には、ライセンス料金、カスタマイズ料金、インフラやサーバーなどの環境整備といった初期費用(数千万円規模)がかかります。さらに毎月の保守費用のほかに、機能追加やバージョンアップのたびに費用(数十万円~百万円)負担が必要です。また、パッケージや販売元の選定、カスタマイズの仕様、環境の設計、カスタマイズおよびテストなどさまざまな準備が必要なので、導入までに時間がかかります。

 

3)クラウドEC

近年のECサイト構築において注目されているのは「クラウドEC」です。

・インターネットによりアクセスするクラウド環境下でECサイト構築~運営が可能

・ECプラットフォームを自社で持たず、ベンダー(販売元)が持つ

・常に最新のシステムに自動でアップデートされる

上記の要件を備えるECシステムのことをクラウドECプラットフォームと言います。

 

 

 

ASP

ECパッケージ

クラウドEC

拡張性
(カスタマイズ)

×
融通がきかない


カスタマイズ可


カスタマイズ可

自動アップデート

〇常に最新システム

×

外部システムと連携

×

初期・月額費用

〇安価

×構築費用が割高


「クラウド」という概念でいうと、ASPとクラウドECは同タイプです。しかし、ASPは初期費用・月額費用が非常に安価ですが、融通(カスタマイズ)きかない側面があります。一方、ECパッケージは拡張性が高くどんなカスタマイズでも対応できますが、ASPに比べ構築費用が割高、ECパッケージはASPのように常に最新のシステムに自動アップデートされない欠点もあります。そこで、両方(ASPとECパッケージ)の欠点を補い長所を兼ね備えたものとして「クラウドECプラットフォーム」が登場しました。拡張性(カスタマイズ)が高く、自動アップデート機能を搭載、基幹システムをはじめ外部システムとの自動連携も可能になっています。

 

4)オープンソース

オープンソースソフトウェアは、無料でソースコードが公開されています。誰でも無償で使用、複製、改変、再配布できます。カスタマイズも自由で、プラグインで新しい機能を追加することも可能です。サイト構築からバグ対応、セキュリティ対策、新しいバージョンへの更新などは基本的に自社内で行えます。そのため知識やスキルのあるスタッフが必要です。代表的オープンソースソフトにはEC-CUBEやZen Cartなどがあります。

メリットとしては、オープンソースソフトウェアは、プラグインが豊富に揃っており、サーバーは自社で立てる必要がありますが、ある程度プログラミングでカスタマイズができ、コストが余りかかりません。

一方、デメリットは、導入から運営管理はすべて自社で行うので、高い技術力のあるスタッフが必要です。日常的な運営管理、バージョンチェック、バグ対応、セキュリティ対策など、すべてを自社対応となり、オープンソースソフトはライセンスフリーのため、ソースに不具合などがあっても自己責任で解決しなければなりません。

オープンソース型ECシステムは、自由度は高いですが、構築に手間がかかります。ある程度技術力があって費用をかけたくない場合に向いています。

 

5)フルクラッチ開発

フルスクラッチでは、既存のソフトウェアやサービスを利用せず、最初からプログラミングをしてECサイトを構築します。パッケージなどの既存のものを利用しないため、一切制約がなく自由にシステムを構築できます。画面設計から決済、セキュリティ対策、他のシステムとの連携など大掛かりな開発を行い、長い時間と多くの費用がかかります。資金のある大手サイト向けの方法です。

メリットとしては、思い通りのECサイトを作れます。カスタマイズではなく専用の設計なので、仕様のすべてを満たしたシステムを自由に作成できます。

一方、デメリットは、自社で開発して運用管理も行うので、多くの知識と高い技術力が求められます。また、導入時にはシステム開発やインフラに多大な投資が必要です。システム更新やリプレイス時にも高額の費用がかかり、設定から公開までには長い時間がかかることも予想されます。

 

近年、ECサイトの構築方法として主流なのはASPです。小規模サイト向けから中規模サイトでも使える高機能なタイプまで揃っています。また、オープンソースやパッケージでECサイトを構築していた企業でも、ASPで構築するケースが増えています。EC業界の技術革新の速さに対応するため、常に新機能が使えるASPにメリットを感じる企業が増えているためです。これからECサイトを構築するのであれば、まずはASPなどの手軽な方法からスモールスタートするのが現実的と言えます。

 

3.ECサイト立ち上げの流れ

1)要件の整理

どのようなECサイトを構築したいのかをまとめる必要があります。これを文書化したものをRFP(Request for Proposal=提案依頼書)と呼びます。

(1)機能面

まずは、サイト構築・リニューアルの目的を明確にします。予算やスケジュールを決める前に、これからECサイトを構築するために必要なタスクをできるだけ洗い出しましょう。タスク洗い出しの方法としては、WBS(Work Breakdown Structure)と呼ばれる方法で、“Work(仕事を)”、“Breakdown(分解して)”、“Structure(構造化する)”という考え方で進めると、必要な予算(費用)やスケジュール(時間)が明確になります。

(2)予算の設定

サイト構築に割くことのできる予算を決めます。初期構築にかかる費用の他に、月額費用も見積りましょう。業者選定にあたって、開発にかかる費用の見積を開発会社に提出してもらう必要があります。もし、複数案ある場合は、各案を提示して、見積条件として提示しましょう。あとで何度も見積りを依頼する手間が省けます。

(3)スケジュールの見積り

ECサイトの運用開始時期を決定します。構築するサイトの規模にもよりますが、最低でも3ヶ月は必要です。無理のないスケジュールを作成します。

 

2)ECサイト開発会社の選定

構築したいサイトの概要が決まったら、システム構築を依頼する開発会社を選定します。前述のRFPを開発企業候補先へ提示し、ECサイト開発の提案を依頼します。次に、提案可能な会社数社により、コンペを開催し協議を行います。比較検討を行うため、各社には同じ内容で依頼をします。各社の提案を元に、構築したいシステムが実現可能か、予算に見合っているかを検討し選定します。コンペを経て正式に契約する開発会社が決定したら、契約書の締結や、発注処理を行います。

ECサイト開発会社選定の留意点は次の通りです。

・開発会社の評価・選定基準の明確化

・RFPを実現できる提案内容とそれに応じた見積金額になっているか

・開発会社のプロジェクトマネジャーの実績、理解度、コミュニケーション力の評価

 

3)ECサイトのシステム要件の決定

特に重要なのが、「業務フロー」です。現行業務システムの問題点を、この機会に現場担当者を交えて、改善・見直しを図ります。

他には、サーバー会社の決定、サイトのデザイン設計・デザイン会社の選定、使用する端末デバイス(PC、スマホ、タブレットなど)、決裁方法(決裁代行会社と料率)、配送方法(配送料、配送日時指定)などがあります。


4)運用準備

運用開始に向けて準備しなくてはならないものがあります。

・ECサイトへの「特定商取引法」についての表記(法務部門への確認)。

・個人情報(プライバシーポリシー)の記述

・他に、商品情報の登録準備、運用マニュアル作成、運用教育・研修などがあります。

 

4.まとめ

ここまでECサイト構築の基礎と、具体的な構築方法、構築の流れについて見てきました。構築方法は様々ですが、自社の状況に応じて適切な方法を検討し構築を進めることが大切です。

また、近年、耳にすることが多くなったのが「UX(User Experience・ユーザーエクスペリエンス)」という言葉。「サイトのサービスや商品を通じてユーザーが得られる体験」という意味です。いくら売っている商品が良くても、ECサイトの使い勝手が悪かったり、どうやったら商品を購入できるのか分からないようでは利益には結びつきません。ユーザー視点に立って、使い勝手の良いECサイトを構築しましょう。

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