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2019.10.1 | 生産/品質管理

工程管理の基礎知識と主な手法について解説!

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1.工程管理とは

工程管理とは、製品を生産する際に一定の品質と数量を保つために、生産に関わる労働力や原料、設備などを管理し、常に効率のよい状態を維持できるように統制することです。工程管理によって生産の現場での無駄を省き、生産性を上げることができます。材料の加工・運搬・検査など製造工程のすべてが工程管理の対象となり、これらの工程は、作業員・機械・作業方法の三要素によって成り立っています。

 

1)工程管理の目的

工程管理の主目的は、①納期を確実に守ること、②作業時間の短縮です。それに加え、以下の目的も果たすことができます。

③生産期間を短縮

工程管理で作業手配や準備を事前に実施することで、作業者と機械を最大限に稼動することができるため、ダラダラと作業を続けることがなくなります。機械が空いている状態や、作業者の空き時間をなくすことができ、結果的に生産期間の短縮に繋がります。

④機械の故障や作業員の欠勤などのイレギュラーに対処

現場にトラブルはつきもので、急な機械の故障や作業員の欠勤などのイレギュラーは起こってしまうものです。しかし、工程管理をすることで、製造ライン全体像を俯瞰して見ることができ、そのようなイレギュラーにも対処することができるようになります。

⑤原料や材料の所在や数量を正確に把握

原価管理を行う上で、原料や材料の所在や数量を正確に把握することは欠かせません。工程管理をすることで「どれだけの物が必要で、どれだけ消費するのか」という見通しを立てることができるため、常に正確な数字を把握することが可能になります。

 

2)生産管理・品質管理との違い

工程管理と生産管理では、管理している範囲に違いがあります。両者ともに製造に関わる内容ですが、工程管理は納期内での生産を中心にしているのに対し、生産管理はより広い業務・プロセスをカバーします。生産管理の扱う範囲は、販売計画から材料の仕入れ・製品の出荷・売上管理まで、製品に関わるすべてのプロセスを管理します。つまり、生産管理の範囲の一部に工程管理が含まれています。

また、製造における品質管理は、「工程管理」「品質検証」「品質改善」の3要素からなり、この3要素の管理によって、製造プロセスの中で品質がつくり込まれます。

 

3)工程管理を行うメリット

①コストを削減できる

工程管理をしっかりと行うと、作業プロセスで生じる原料のムダを削減できます。これによって原料コストを削減でき、その分は利益に直結します。また、工程管理は労務費削減にも貢献します。例えば、特定の作業工程を担当する作業員の人数が多過ぎることが工程管理で発覚した場合、その作業員を他の工程へと配置転換することで、残業時間の短縮による労務費削減になります。以上のように、工程管理は幅広いコスト削減ができるという点で大きなメリットがあります。

②一定の品質が保てる

量産ラインでは、製品ごとに品質のバラツキが生じてしまうことがあります。しかし、それでは製品やメーカーへの信頼は大きく損なわれてしまいます。工程管理によって製品の生産プロセスを常時チェックすると、製品の品質を常に一定に保つことができます。

③作業員のモチベーションを維持できる

例えば、上司から1日の生産量を増やすことを命じられているにもかかわらず、作業方法にムダがあるため生産量を増やすことができないと、残業が多くなってしまい、現場で働く作業員のモチベーションは下がってしまうかもしれません。工程管理によって作業方法のムダを省くことは、作業員が作業しやすい環境を整えることでもあり、作業員のモチベーションを維持する上でも重要です。

④在庫の調整がしやすくなる

多くの商品を取り扱う会社では欠かせない「在庫管理」。しかし、そのためのシステムは構築していても、効率的に管理を行えている企業はそれほど多くありません。工程管理をしっかりと行うと、生産数の調整もできるようになることから、不足している商品を多めに生産することや、過多状態になっている商品の生産数を減らすことができます。在庫管理の精度を上げるという点でも工程管理が重要になってきます。

 

2.工程管理の代表例

1)工場のライン管理

1955年頃から日本の製造業に「工程管理」が導入され、日本中の工場に普及していきました。製造現場の誰もが知っている「トヨタ生産方式」も工程管理の手法の1つです。

ここでは、「トヨタ生産方式」を取り上げて、工場のライン管理について説明します。

トヨタが本格的にトヨタ生産方式への取り組みを始めるのは第二次世界大戦後のことで、ベースとなったのはトヨタグループの始祖・豊田佐吉氏考案の「自働化」と、トヨタの創業者・豊田喜一郎氏考案の「ジャスト・イン・タイム」という考え方です。

「自働化」はトヨタ生産方式の基礎を築いた大野耐一氏の造語で、単純な機械化(自動化)と区別し「人間の知恵を付与することで不良品を生産しない」仕組みのことを指します。大野氏はこの考えを機械だけでなく、人間が作業を行うラインにも拡大して、「問題があれば機械を止めて、問題の原因を調べて改善する」ことにしたのです。

もう1つの「ジャスト・イン・タイム」は豊田喜一郎氏の考案によるもので、「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」手に入れることができれば、生産現場の「ムラ・ムリ・ムダ」がなくなり、生産効率が上がるという考え方に基づくものです。

つまり、不良品を検査で発見するのではなく、そもそも不良品を作らないようにするというのがトヨタ生産方式の発想です。この方式は、フォード以来の大量生産方式とは違って、「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」届け、作業の中で余分なものを持たない、余分なものを作らないことを基本にした生産・運搬の仕組みです。

【トヨタ生産方式を代表する4つの仕組み】

改善(カイゼン、Kaizen)

トヨタ生産方式のものづくりが目指すのは「より良いものを、より早く、より安く」です。そのためには現状に満足することなく、より良いものを絶えず追及する姿勢が求められます。仕事をしていれば日々問題やムダに気づいたり、やりにくさを感じたりすることがあるはずです。これらをそのままにするのではなく、常に「もっと良い方法はないか、もっと楽なやり方はないか、ムダを省けないか」などと考え続けることで「今よりも良いやり方」を見つけることが「改善」です。その際、お金よりも知恵を使って解決することが基本となります。

②見える化

問題を解決するためには問題を隠すのではなく、みんなに見えるようにすることが大切だというのがトヨタ生産方式の考え方です。問題があれば機械を止めるのもそのためです。機械を止めれば、問題が起きたことを全員に共有できます。つまり、見える化というのは問題を全員に見えるようにして、全員で知恵を出し、全員で解決するための仕組みと言えます。

③「Why」を5回繰り返す

 問題が起きた時、責任追及よりも原因追究を重視するのが基本姿勢です。その際、「なぜこの問題が起きたのか?」に対する「Why」の追求が甘いと、表面的な原因を「真因」と思い込んで対策をとることになります。しかし、それでは本当の原因をつぶしていないため同じような問題が再発してしまいます。そこで「Why」をとことん繰り返して「真因」を見つけ、真因をつぶす改善をしなければならないと考えています。

④ムダどり

トヨタ生産方式では、通常みんなが仕事と思ってやっていることの中には「ムダ」と「付随作業」(本来はムダだが、現状ではやらなければならないもの)、「正味作業」があり、ムダを省き、付随作業を改善して可能な限り正味作業の比率を高めていかなければならないと考えています。因みにここでいう「ムダ」は生産現場では「付加価値を生まない作業」を指し、間接部門やサービス業では「お客さまの役に立たない作業」などを指しています。生産現場には「7つのムダ」(加工・在庫・作りすぎ・手持ち・動作・運搬・不良/手直しのムダ)がありますが、間接部門などにも同様のムダがあると考えています。

 

2)タスクの管理

「タスク」はコンピューター用語で、コンピューターが複数のことを同時に処理する場合の、その個々の作業のことをタスクと呼びます。ビジネスの現場においても、タスクという言葉が使われており、小さい単位の仕事や作業という意味で使われ、同時に複数の作業を並行して行うことを「マルチタスク」と言います。さらに、これらのタスクが複合されたものを「プロジェクト」と呼ぶこともあります。逆に言うと、プロジェクトを遂行するためには、タスクを細分化して管理する必要があります。

タスク管理とは、いつまでにどのタスクを誰がやるかを決めて、実行されているかを管理することを指します。タスク管理をすることにより、仕事を効率的に進めることができます。具体的メリットとしては、タスクをリストアップすることでやるべきことが明確になり、頭の中が整理されます。これにより順序立てて仕事に取り組むことができるため、無駄がなくなり心にも余裕が持てます。また、やることが定まっていれば、時間を効率的に使うことも可能になります。

 

3)プロジェクトの進捗管理

進捗管理とは、仕事上のプロジェクトにおいて、作業計画と作業実績のズレを逐一確認することです。進捗状況をタイムリーに確認・把握することで作業実績の遅れを発見してリスケジュールできるので、大きな損失や失敗というリスクを回避できます。

一方で、作業実績が遅れた場合は計画外の人件費が発生する上、本来享受するはずの利益の損失となり、予算に大きな影響を与える場合もあります。

特に製造業界やIT業界での進捗管理の失敗は、大規模リコールやシステム障害につながる可能性がありますが、進捗管理をすることで失敗を防げます。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの責任者です。プロジェクトを成功するために、計画を作り、遅れがないか都度確認しなければなりません。しかし、プロジェクトは大抵スムーズに進まずに問題点が見つかって新たな課題が出てきたり、計画を練り直したりするものです。計画は遅れ、業務が増え、人手不足になるといった事態になることもあります。プロジェクトマネージャーは誰よりも納期遵守と品質担保にこだわらなければなりません。全体を把握し細やかな進捗管理をして時には柔軟な方向転換も必要になります。

【進捗管理を上手く進める4つのポイント】

①管理工程を細かく分ける

プロジェクトはいくつかの工程が続くことになりますが、一つの工程そのものを管理していては、作業がどこまで進んでいるのかわかりません。そのため、気付いた時にはリスケジュールだけでは済まないほど、作業が遅れているということになりかねません。

できるだけ早い段階で、作業計画と作業実績のズレに気付くことが、進捗管理には大切です。プロジェクトの計画表を作るときには、工程をできる限り細分化して、その中にあるタスクをすべて管理対象にします。一つひとつのタスクを完了・未完了で管理することで、残りの作業量を一目で把握できます。

②進捗会議を定例化する

プロジェクトの進捗はプロジェクトマネージャーだけが知っていれば良い訳ではありません。それぞれの作業状況を確認するために、メンバー全員で定期的に進捗会議を開く必要があります。進捗会議では進捗が可視化されてないと進捗状況の共有ができないので、作業工程表などを使いながら確認していくと良いでしょう。また情報の追加や更新などは、進捗会議の場で共有するとメンバー間の意思疎通もできます。メールなどの一方的な連絡事項ではなく、定期的に顔を合わせてお互いの進捗状況を把握できる環境作りも大切です。

③チームの雰囲気をより良くする

プロジェクトに限らず、働く場所の雰囲気が悪ければ、業務効率は下がります。なぜなら、雰囲気が悪いと聞きたいことも聞けずに仕事が止まってしまったり、間違えることが不安で、過剰な確認作業に時間を使ってしまったりして、業務効率の悪いチームになってしまうからです。助け合いながら、安心して働ける雰囲気にするためにも、まずは間違いやミスが起きても険悪な雰囲気にならないように、チーム内での信頼関係を上手く構築することが大切です。

④チームメンバーの性格を把握し、タスクを振り分ける

メンバーによって経験も能力も違いますが、タスクを振り分けるときは能力だけでなく、性格も考慮して振り分けると、全体的に良い作業計画を立てられます。

性格によって、残り30%の作業を「あともう少し」と楽観的に捉えるタイプと、「まだ完成する見通しがたたない」と悲観的に捉えるタイプがいます。そしてその捉え方が、仕事の完成度とスピードに影響します。メンバーそれぞれの性格を十分把握した上で、普段のタスクに対しての取り組み方に応じて、タスクを振り分けていくことがプロジェクトを成功に導きます。

 

3.工程管理の主な手法

工程管理をする際は、エクセルや専用の工程管理ツールを用いる場合や、工程表を用いて紙面で管理するケースが考えられます。

1)紙面(工程表)による管理

紙面やホワイトボード等にて「工程」の可視化と管理をします。進捗状況の把握に関しては、人の直感をベースとしており、紙面で手軽に加筆・修正ができることも特徴です。数人程度で比較的少数の業務や短期プロジェクトのみを扱う場合や、メンバーが常にすぐ近くにおり、いつでも口頭で進捗状況が報告できるような組織であれば、紙面による工程管理も有効かもしれません。

 

2)エクセル・スプレッドシートによる管理

エクセルは使い慣れたソフトであり、豊富な数式や関数を備えていることから、手軽に工程管理をするツールとしても便利です。現在では、工程管理向けのテンプレートを用意しているサイトもあります。エクセルではマクロ機能を用いることで入力の自動化ができる部分もありますが、スケジュール管理やタスク管理、進捗管理などに関しては、個別のシートまたはファイルを作成する必要があります。一方で、複数人と共有する場合は、権限などの設定が必要です。 また、入力ミスや数式に間違いがあった場合など、人的ミスの可能性が残ることもエクセルを用いた工程管理におけるネックとなります。

エクセルと同様の機能をもつ“クラウド上のサービス”を利用して工程管理を行う方法もあります。基本的な部分はエクセルと共通で、1つのファイルを共有することができるというメリットもあります。また、ファイルはクラウド上にあるため、バックアップなどは必要ありません。しかし、エクセル同様に人的ミスの可能性が残ることがネックとなります。


3)工程管理ツール・システムの活用

エクセルでの工程管理に限界を感じる場合は、工程管理向けのツール(パッケージソフト)が数多く外販されており、利用することができます。工程管理ツールは、主にプロジェクト管理が可能な機能を持ち、スケジュールから、タスク管理、進捗状況の把握、予実管理から、企業全体の収支までを一つのツールで的確に把握することが可能です。

導入コストも一人当たり数百円から利用可能なものもあります。クラウドで提供するツールなら、企業側はバックアップも不要なほか、導入コストも低額で工程管理ツールを利用することが可能です。

 

4.まとめ

「工程管理」の運用には、熟練の生産管理エンジニアの知識と経験が深く関わっており、暗黙知的要素が多いのが実情です。これらの熟練エンジニアは高度成長期を支えた“団塊世代”の人達であり、数年前からその人達のリタイアが始まっています。

中小企業では深刻な人手不足が続く中、「生産性向上」と「省人化・自動化」は重要経営課題です。生産性向上の鍵を握るのは「工程管理」の見直しと高度化、また熟練の生産管理エンジニアの技能伝

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