アジア市場での半導体、電子機器市場へのアプローチ

2004年からNECエレクトロニクスの香港現地法人のMDをつとめ、急速に成長する中国本土での半導体ビジネスの拡大に専心した。2000年以前は香港をゲートウェイとした外資による中国への半導体進出が主であったが、この時期を境に中国資本によるエレクトロニクス産業が急速に成長する。そのためNECエレクトロニクスも中国内地での販売網拡充へ動き、香港もその一部として大中華圏としての販売体制構築を進めた。

香港から中国主要都市の大手・中小顧客へのアプローチを広げ、拡大された北京の営業技術チームとも連携する形で中国本土でのビジネス拡大を進めた。当時はエアコンや電子レンジなど家電、電動バイク、電気メーターのデジタル化、デジタル放送など半導体の需要が急増し、そのソリューション（標準化された設計プラットフォーム）を提供することにより顧客でのデザインを獲得する戦略を進め、技術部門や販売代理店と連携して各セグメント別の攻略作戦を作り顧客囲い込みを進めた。

中国ではゼロからの開発も当然ながらプラットフォームを参考に独自の開発を進めることが多く、ソフトウェアも含めたプラットフォームの提供がＩＣ採用の大事な鍵となる。これは顧客の技術者が我々のＩＣを前提に開発を進めるための出発点となり、さらに派生商品の設計に使われる相乗効果を生み出すことにつながる。実際の量産につながるまでには長い時間がかかるが、一度このサイクルが始まるとその効果は大きい。

これらのアプローチは現場でのニーズを設計開発に反映し、プラットフォームを完成し、さらに完成したレベルのソリューションとして提供し顧客のデザイン設計のベースに使わせるという戦略。顧客のトップから現場のエンジニアまで、そのプラットフォームの技術レベルに納得してもらい、我々の技術支援への信頼を勝ち取ることにより初めて認められる、いわゆる総力戦である。顧客のニーズをとらえ、我がチームも的を得た対応をとれるまでの連携を関税させた結果として大きな市場シェアを獲得することができた。この経験は市場性の違い、文化や商習慣の違いを認識したうえで、チームとして成し得た最良のチームワークであり、今後の海外市場へのアプローチにも生かせると信じる。

顧問ID：AD-14365

得意な業務領域：海外進出（事業戦略・貿易・法人設立・法律）

早稲田大学商学部在学中に米国イリノイ州Knox Collegeへ一年留学、帰国し卒業後アメリカの仕事に従事することを希望してNECへ入社、北米向け半導体営業部門に配属。それ以降エレクトロニクスビジネスの海外事業でキャリアを積み、シリコンバレー・シンガポール・香港と現地での販売とマネジメントを担当した。

　長年にわたる電子業界での職務経験からエレクトロニクス分野での豊富な経験を持ち、営業・マーケテイングから海外現地法人マネジメント、外資系半導体メーカーの日本トップとしての経営管理経験を保有。国内および海外市場における戦略立案から組織づくり、チャネル構築、ファイナンス管理、販売計画の実行達成まで一貫した遂行能力を持つ。英語ビジネスレベル、北京語中級レベル。
　メインキャリアは前職ルネサス エレクトロニクス株式会社（旧 日本電気株式会社）における半導体製品の海外ビジネス統括。年商2,000億円規模の海外事業責任者としてマーケティングおよびセールス活動を推進。計１3年にわたり海外に駐在、シリコンバレーを皮切りにシンガポール・香港および上海で現地トップとしてマネジメントと実務の両面を経験。2014年からは中国ファンダリーSMICの日本代表として、2015年からは中国LCDメーカーの日本法人（旧NEC LCD事業）の営業本部長として販売活動を統括した。2018年に(株)新川に入社後、2019年に新川(上海)にCEOとして赴任、現地販社の営業活動や組織変革に貢献した。
海外異文化・商習慣に精通しており、人的コミュニケーション力も高く、堪能な語学力と豊富なビジネス経験から包容力のあるリーダーシップを発揮できる。