自動車部品の生産準備における生産工程の品質保証

2、生産準備～量産終了までの客先・社内の関係部署・仕入先の多部門にわたって組織をまとめるマネジメント能力
3、設計段階～量産移行後、客先とのコミュニケーション構築と交渉及び折衝能力　
4、未経験の分野でも今まで培ったスキルを応用し対応する能力
①株式会社　イノアックコーポレーション
(1) 桜井事業所　品質保証部　品質管理部　品質管理1課では品質パトロールとして、年間200件発生するトヨタ自動車の不具合発生帳票（カウント）の低減を指示され、不良の選別や再発防止の対策を実直にこなし、指示待ちになる事無く状況を察して臨機応変に対応した。また日常の雑談から客先の困り事を察し、フォローを継続する事で、客先より直に『ありがとう』と言われる様になり、様々な情報を教示して貰えるようになった。実際の業務でも単独で客先との交渉を任される様になり、コミュニケーション構築により信頼を築けた結果、不良75件発生したが63件お咎め無し、12件カウント帳票発行されたもの内2件を不具合対策報告会でお咎め無しとすることが出来た。
トヨタ自動車（トヨタ車体除く）　実績　65件/75件　86.6％低減達成

(2) 桜井事業所　品質保証部　品質技術部　品質管理1課／2課では生産準備を担当し、設計段階～量産移行前の段階で、部品特有の形状及び精度問題が発生した際、問題箇所及び打開策を打ち出し、客先のフォローを仰ぎつつ、社内・仕入先を巻き込んで該当部品精度を粘り強く作り込みを実施した。併せて、量産工程の正当性検証を行い、工程FMEAやQAネットワークによる危険予知検証・生産タクトの健全化・発生不良／流出不良ゼロ化の作り込みを展開した。逐次問題点の対応の進捗を客先に報告し、問題点解決も確実にこなし、客先要求に応え得る事で客先との信頼関係も生まれた為、当方から打ち上げた設計変更申請も承認されやすくなった。工程能力CP/CPKも規格値以上達成でき、部品完成度も100％を達成。客先工程監査では重点指摘項目ゼロを達成、客先より直に『ここまでやってくれてありがとう』と言われる様になり、量産移行後も不具合発生ゼロ件を継続することが出来た。

(3) トヨタ自動車　カスタマーファースト推進本部　補給品　品質技術担当を兼務し、補給部品の材料変更申請や、2000年以前から立ち上がっている金属部品の寸法精度幾何公差が2011年より客先規格が変更になっている事により、現在の寸法精度幾何公差では嵌合されない事実を突き止め、客先へ打ち上げた。通常では異議申請は認められないが、品質パトロール及び生産準備での実績により客先の全工場品管担当との信頼構築が出来ていた為、最大限のフォローと尽力を受けることが出来た。結果として、当方に優位な作り込みをしても良いと認められ、対策を実施し、不良流出ゼロを達成することが出来た。